字幕1行の文字数はどれくらい?本当に大事な読みやすさのルール

Dzianis Kukareka, 創業者 · 更新日

字幕1行の文字数はどれくらい?本当に大事な読みやすさのルール

字幕1行の文字数はどれくらいが適切か。実務で使われるルールは次のとおりです(数値はラテン文字の場合)。1行は37〜42文字程度、1つの字幕は最大2行、表示時間は1秒あたり15〜17文字程度で読める長さを確保し、改行は幅が尽きたところではなくフレーズの切れ目で入れること。この4つの数字を一貫して守るかどうかで、すっと読める字幕と、巻き戻して読み直される字幕が分かれます。

これらの数字の出どころ

適当に決めた数字ではなく、数十年にわたる放送の現場から受け継がれてきたものです。BBCの字幕ガイドラインやNetflixのタイムドテキスト・スタイルガイドといった公開されているスタイルガイドは、どれも同じあたりに落ち着いています。1行の長さは30文字台後半から40文字台前半、最大2行、そして視聴者が字幕を読んだうえで映像も観られるように調整された読む速さです。正確な数値は放送局、言語、視聴者層によって異なりますが、ルールの骨格は変わりません。

4つのルールと、それぞれがある理由

1. 1行の長さ:37〜42文字程度

目は字幕を1〜2回の注視で読み取ります。短い行はひと目で頭に入りますが、長い行はしっかり読まなければならず、そのぶん映像から注意が奪われます。幅の広い行は、プレーヤーの余白やスマートフォンの縦型動画ともぶつかります。使っているツールが42文字を大きく超える行を書き出すなら、設定を厳しくしましょう。

2. 2行まで、3行は不可

3行になると映像を覆い、そのキューが多すぎるセリフを抱え込もうとしているサインになります。その場合はキューを2つに分けましょう。2行にするときはバランスを意識します。長い上の行と短い下の行(またはその逆)より、長さのそろった2行のほうが読みやすく、多くのガイドは文字のまとまりを低い位置に保つため、下の行をやや長めにすることを推奨しています。

3. 読む速さ:1秒あたり15〜17文字程度

読みやすさを決める、目に見えないルールです。40文字の行なら約2.5秒の表示が必要で、1秒しか出さなければ、読むのが速い人でも最後まで追えません。大人向け放送の目標は、ラテン文字で1秒あたり15〜17文字前後です(子ども向けコンテンツではかなり低くなります)。翻訳した字幕があふれるのもこのためです。訳文は長くなるのにタイミングは変わらず、1秒あたりの文字数が知らないうちに読める範囲を超えてしまいます。

4. フレーズの切れ目で改行する

改行は目のための句読点です。節のあとや接続詞の前で改行し、冠詞と名詞、前置詞とそれに続く句、名前と肩書きを切り離してはいけません。「研究チームのリーダーが/調査結果を発表しました」ならすんなり読めますが、「研究チームの/リーダーが調査結果を/発表しました」では1語ごとに引っかかります。

早見表

ルール目標破っているときのサイン
1行の長さ42文字以下文字がプレーヤーの端に触れる・スマートフォンで折り返される
1キューあたりの行数1〜2行文字のかたまりが顔を覆う
読む速さ1秒あたり15〜17文字視聴者が巻き戻して読み直す
キューの表示時間約1〜6秒一瞬で消えるキュー・動かない長文
改行フレーズの切れ目で行末が「the」「of」「and」になる

言語や形式によって変わること

  • CJKの文字は1文字あたりの情報量が多いため、1行の上限は短くなり(Netflixのガイドは言語ごとに上限を定めており、たとえば日本語と韓国語ではかなり短い行にしています)、1秒あたりの文字数の数え方も異なります。

  • 縦型のショート動画では使える幅が狭くなります。行を短くし、文字を太くし、焼き込みのスタイルにします。オープンキャプションとクローズドキャプションの違いで取り上げたオープンキャプションの世界です。

  • アクセシビリティ用の字幕ではセリフ以外の情報([applause])も加わり、同じ文字数の枠を取り合います。セリフの行を簡潔に保つべき理由がもうひとつ増えるわけです。

手作業はどのくらい必要?

思っているほど多くはありません。優れた字幕生成ツールは、ファイルを作る段階で長さの上限、フレーズを考慮した改行、タイミングを適用します。機械による改行は、いつの間にかかなり上手になりました。あとは見直しで残りを拾うだけです。テンポの速いやり取りのあとの詰め込みすぎの行、名前を分断する改行、細かい編集のあとで一瞬しか出ないキューなど。こうした箇所をエディターで直せば(無料の字幕エディターなら既存のSRT/VTTをそのまま編集できます)、文字数を一度も数えることなく、ファイルがルールを満たします。

よくある質問

42文字は絶対的な上限ですか?

強い慣例ではありますが、物理法則ではありません。放送局はそれぞれのハウススタイルで37〜42文字の中から選んでいます。正確な数字よりも一貫性のほうが大切です。ただし40文字台半ばを超えると、読みやすさに実際の悪影響が出てきます。

1秒あたりの文字数はどうやって測りますか?

キュー内の文字数(スペースを含む)を表示秒数で割ります。1秒あたりの文字数を表示してくれるエディターなら、意識しなくても確認できます。そうでなければ、最も密度の高いキューを抜き取りでチェックしましょう。

字幕はセリフと完全に一致させるべきですか?

速さが許すなら一語一句そのままに、許さないなら軽く縮めます。1秒あたりの文字数を読める範囲に収めるために「なんていうか、基本的には、その…」を削るのは、プロの現場では当たり前のことで、検閲ではありません。

自動生成の字幕にもこのルールは当てはまりますか?

まさに自動字幕が破っているのがこれらのルールです。YouTubeの自動字幕で示したように、フレーズの論理がなく、単語を追いかけるだけの断片になっています。生成してから見直したファイルがまるで違って読めるのは、こうしたルールがあるからです。

まとめ

仕事をするのは4つの数字です。42文字、2行、1秒あたり15〜17文字、フレーズでの改行。これらの適用は生成ツールに任せ、自分の時間は例外の処理に使いましょう。そうすれば字幕は視聴体験の中に溶け込みます。それこそが字幕の目指すところです。

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